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メリットとリスクを理解して選ぼう

選択は最終的には、その人その人の価値観しだい

HRTにはメリットとともにいくつかのリスクがあります。メリットとリスクをはかりにかけて、自分にとって、どちらの比重が大きいかをよく考えてみてください。

たとえば、現在つらい症状で苦しんでいる人なら緊急避難的にHRTを行い、症状がおさまったところで、あらためて治療を選択するのもひとつの方法です。

また乳がん発生の心配についてもHRTの治療中はがんチェックなどのために、定期的に検診を受ける必要がありますから、結果的には、がんやその他の病気の早期発見に役立つということで、むしろそれをメリットと考える人もいます。

一方、更年期は老化にいたる一過程なのだから、できるかぎり人工的な治療を避けて、からだの変化を自然に受け止めたいという考え方もあります。また、平均寿命が延びて、人生85年といわれる時代。将来、骨粗鬆症や動脈硬化による脳障害を起こして寝たきりになるのを予防するために、HRTを使い続けたいという考え方もあるでしょう。あるいは、「HRTを受けていなくても乳がんになる可能性はある。そんな心配をするよりも、若々しさを保って元気に活動したい」という考え方もあります。

どんな治療にもリスクはあります。治療の選択は、そのリスクを自分でどう受け止めるかにかかっています。

医師から十分な説明が得られないときは転院の選択肢も

HRTはすぐれた効果のある治療法ですから、使う目的をはっきりさせることも大切です。

まずは、医師とよく相談してください。そして、HRTを受けるかどうかの最終的な結論を出すのは、自分のからだの責任者であるあなたです。

いずれにしても、HRTを受けるかどうかでぐずぐずと悩んで、不調を抱えたまま何年も過ごしたり、またHRTの薬を処方してもらったものの、リスクが気になって飲まずに置いてあるということだけは避けたいものです。

副作用やリスクのことなど、不安があれば、遠慮せずに医師に尋ねてください。患者側かきちんと尋ねているにもかかわらず、医師からあやふやな返事しか返ってこなかったり、また医師がめんどうくさそうな態度を示したときには、今後も十分なインフォームドコンセントは得られないかもしれません。そのような場合は、病院を替えるという選択肢も出てくるでしょう。

HRTのメリット

  1. 更年期特有のつらい症状の解消に非常に効果がある
  2. 腔の乾燥や腔粘膜の萎縮などを抑え、性交痛を緩和する
  3. 骨量の減少を抑え、骨粗霧症予防に効果がある
  4. 動脈硬化、高血圧などの生活習慣病を予防改善する
  5. 肌の老化を防ぐ
  6. 気分が明るくなる
  7. 大腸がん発症の危険率が下がるというデータがある

*HRTそのもののメリットではないが、治療中は定期検診を受けることにより、自分の健康に気を配ることができる

HRTのデメリット

  1. 乳がんの発生率が高まるというデータがある(定期検診により、早期発見治療が可能)
  2. 子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症のある人は、悪化する可能性がある(検査をしながら、ホルモン剤の量を調節していくことで対応できる)③閉経後でも月経のような出血が起こる(ホルモン剤を調整することにより解
    決できる)
  3. 服用のはじめに乳房の張り、イライラ、おなかの張り、吐き気など「PMS(月経前緊張症)」と同じような症状が起こりやすい(ホルモン剤を調整することにより解決できる)