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気になる副作用について考えてみましょう

子宮体がんの心配はありません

多くの人にとっていちばん気がかりなことは、HRTとがんの発生との関係でしょう。HRTがはじまったころは、エストロゲンだけを単独で投与(ERT)していたために、子宮体がんの発症率が高くなりました。エストロゲンには子宮内膜を増殖させる作用かおるために、子宮がんも発肯させてしまったのです。

そこで、本来の月経における白然な女性ホルモンの働きと同じ状態にするため、エストロゲンと排卵後に分泌されるプロゲステロンを併用するようにしたところ、子宮内股の増殖は抑えられ、むしろ子宮体がんの発生は少なくなりました
。子宮体がんへの心配はしなくてよい、というのが現在の見解です。

乳がんのリスクについての結論はまだ出ていません

一方、乳がんの発生のリスクについては、まだはつきりした統一見解が出ていないのが現状です。ただ米田では、乳がんに対するリスクが26%(1・26倍に)高まるとして、HRTの臨床試験の一部を中正したという発火が2002年にありました。

具体的な数字をあげると、今回の米国の臨床試験でHRTを平均5・2年受けた人を調べると、乳がんの発症率は1万人あたり年に38人。受けない人の30人に対して8人増加したというデータです。しかし、HRTの実施4年までなら、乳がんの発生率に差はありませんでした。

また、もともと米国の乳がん発症率は日本の3倍以上あること、この調査に参加した米国人女性の肥満度や喫煙率が高かったこと、HRTの開始平均年齢が63.3歳と乳がんなどの病気発生のリスクが高い年齢であったことなどを考慮すると、この結果をそのまま単純に日本人の場合にあてはめることはできないと考えられています。

また、「HRTは米国で禁止された」と誤解をしている人も多いようですが、今回の発表はひとつの研究の結果であって、結論ではありません。現在も米国ではHRTに関する臨床試験が行われており、医療の現場でも多くの女性がHRTを受けています。

10年、20年とHRTを長期間行っていると、HRTを受けていない人に比べて乳がんのリスクが高まる可能性は否定できません。しかし、HRTを行うときには、半年から1年ごとに乳がん、子宮がんや肝機能などの定期検診を行いますから、仮に検診で病気がみつかったとしても早期発見・治療が可能です。

その他の副作用は、医師と相談しながら解決できます

がん以外の副作用では、女性ホルモンの影響を受ける子宮内膜症や子宮筋腫、乳腺症などの病気がある人は、HRTを行うことで閉経後おさまつていた症状が再び出てくる可能性があります。

そのほか、女性ホルモンを投与することで、月経のような出血が起こりますが、出血が起きてもその量はだんだん少なくなり、1~3年ほどでなくなります。また出血がはじまるパターンも終わるパターンもわかつてきますので、あまり不安がらずに対応してください。また、服用しはじめでは、月経前のように乳房の張り、むくみ、おなかの張り、イライラ、吐き気などが起こることがあります。これらの症状は、薬の種類を替えたり量を加減して、ようすをみるうちに消えることがほとんどです。