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治療の柱は2つの女性ホルモン剤です

天然に近い成分の女性ホルモン剤で治療します

HRTのホルモン剤は、主役のエストロゲンと補助的に使われるプロゲストーゲンの2種類で、天然に近いものを使用します。更年期の症状が強い場合は女性ホルモン。男性ホルモンの合剤(エストロゲンーアンドロゲン合剤)が用いられることもありますが、長期間使用していると成分中の男性ホルモンの影響で、ひげが濃くなる、声が太くなるなどの副作用が起こるので、現在はあまり使われていません。

主役はエストロゲン。種類により作用が異なります

よく使われるエストロゲン剤の成分は、「エストラジオール」「エストリオール」の2種類で、多少作用が違います。エストロゲン剤の剤型は、おもに飲み薬(錠剤)とパッチ薬(貼付剤)ですが、注射や腔に挿入する腔剤などもあります。また、塗り薬 (シェル状)も発売されています。

どの薬をどのような組み合わせで使うかは、患者さんの年齢や目的、薬の感受性によっても違ってきます。ここでは、おもなエストロゲン剤について説明しましょう。

結合型エストロゲン

一般に多く使われているのが、結合型エストロゲン剤(商品名「プレマリン」など)。妊娠した馬の尿から抽出された天然のエストロゲンで、非常によく効く薬ですが、効果や副作用の現れ方によっては、薬剤やその使用法を替えていくこともあります。

17βエストラジオール

化学的に合成されたエストロゲンの一種であるエストラジオールを、アルコールに溶かしてパッチ状にしたものです(商品名「エストラダーム」「フェミェスト」など)。パッチ薬は、おへその横や腰に貼って、皮膚からエストロゲンを吸収させ、血液中に浸透させようとするものです。飲み薬とは違って胃や肝臓への負担が少ないのが特徴で、1日ごとに貼り替えるタイプ(エストラダーム)と、2~3日ごとに貼り替えるタイプ(フェミェスト)があります。どちらも、入浴や運動で汗をかいたくらいでははがれません。

ただ、プロゲストーゲン剤のパッチ薬がまだないために、エストロゲン剤はパッチ薬で、プロゲストーゲン剤は飲み薬で、とふたつの薬剤を別々の形で併用していくため、わずらわしいと感じる人もいるようです・09年からエストロゲンとプロゲストーゲンを配合した飲み薬(商品名「ウェールナラ配合錠」)とパッチ薬(「メノエイドコンビパッチ」)が使えるようになりました。

エストリオール

化学的に合成したエストリオール(商品名「エストリール」「ホーリン」など)も治療に広く用いられています。エストリオールは、結合型エストロゲンに比べて作用が弱いのが特徴で、その分副作用も少なくなっています。試しにHRTを行ってみようという場合や症状の軽い人、閉経後で骨粗鬆症の予防や萎縮性腔炎の治療をおもな目的としている場合などに多く用いられます。

補助的な役割をするプロゲストーゲン剤

プロゲストーゲン剤は、エストロゲンの子宮内膜増殖作用を阻止するために使用されるホルモン剤です。それ自体に治療効果はないので、更年期の症状の治療に単独でプロゲストーゲン剤が用いられることはありません。また子宮を摘出した人は子宮体がんになることはないため、プロゲストーゲン剤を併用する必要はありません。