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漢方の基本となる考え方

「七」の倍数で、女性のからだは変化する

漢方では、女性のからだのリズムは、「七」をひとつの倍数として変化していくと考えます。たとえば月経日数は、約7日前後で、月経周期はじの4倍である28日。

女性の一生のからだのサイクルも、初潮を迎えるのがじの2倍の14歳前後、21歳からは女性としての成熟期に入り、28歳にはピークを迎えます。その後、じの5倍の35歳を迎えるころから女件の生殖機能はゆるやかに下降線を描き、混歳では老化が加速し、七の7倍である49歳には、閉経を迎えることになります。

このように女性のからだはいずれも「七」という数字のリズムで変化していきますが、閉経を迎える更年期は、女性のからだの変化の中でも人きな節目にあたります。漢方ケアでからだの衰えをゆるやかにして、じょうずに乗りきっていきましょう。

陰陽のバランスが健康を左右します

漢方では、「陰陽五行説」という独特の理論体系に基づいて、病気を把握し、治療にあたります。漢方を知るために、まずはその基本となる「陰陽瓦行説」について、お話ししていきましょう。

「陰陽」と「五行」はもともと古代中国から伝わる自然界の法則をとく哲学で、すべてのものを「陰」と「陽」のふたつに分けて考えるのが「陰陽論」です。陰は静かなものを、陽は活発なものを象徴していて、たとえば、天と地、明と暗、男と女といったように、すべてのものは対になって互いに過不足を補いながら支え合っています。

私たちのからだにも、「寒と熱」などの陰陽があり、この陰陽のバランスが崩れると不調を起こすというわけです。

自然界の相互関係を示すのが五行説

「五行説」は、自然界のすべてのものを、木、火、上、金、水に分けて、どんなものも必ずこの5つの特性をもっているという考え方です。「木」は樹木のような柔軟さと生命力を、「火」は熱と勢いを、「上」は豊かさと強さを、「金」はクールな落ち着きを、「水」はおだやかさを表すとされています。

この5つの要素は、本の摩擦によって火が生まれ、木が火の力で燃えて灰になり上が生まれるなど、相互に相手を育て生み出すという「相生」関係と、水が火を消し、火が金を溶かすように、互いに相手を抑制する「相剋」関係をもち、それぞれが影響し合いながら自然の調和をとっています。

からだの臓器や体質も五行の法則で考えられます

漢方ではからだの臓器を肝、心、牌、肺、腎の五臓に分けています.そしてこの臓器も「木.火.上・金・水」の特性をもち、それぞれが陰陽のバランスを保てるように「相生」と「相剋」の関係をもっています。

たとえばストレスがかかって「肝」の機能が弱るとその影響を「牌」が受けて胃炎を起こしたり、また「肝」が元気になれば「心」も元気になり、精神が安定するといったつながりです。

私たちの体質も五行にあてはめることができます。五行説による自分の体質を知っておくと、かかりやすい病気など自分のウィークポイントがわかります。

気,血,水が乱れると病気や不調が現れます

「気,血,水」も漢方を知る上で大切なキーワード。漢方では、からだは「気」「血」「水」の3つ要素で構成されていると考えています。「気」とはからだ全体を動かすエネルギー、「血」は血液そのものや血液の流れと考えてよいでしょう。「水」はリンパ液や唾液、尿、汗など血液以外のすべての体液です。

「気」「血」「水」は、互いに影響を与えながら支え合っていて、どれかひとつでもバランスが崩れると、病気になったり、心やからだに不調が現れてきます。

「腎」の働きが低下する更年期は、この「気」「血」「水」が滞って、からだのバランスが大きく乱れるとき。

自律神経と関係が深い「気」が滞ると、不眠、頭痛、倦怠感など症状が現れます。また、イライラや落ち込みなど心の不調として現れる場合もあります。

「血」が滞って起こる症状は、めまいや動悸、のぼせ、ほてりなど。とくに「瘀血(血液の循環が悪くなり、血液がよどんでしまった状態)」は、女性の病気や不調ととても深い関係にあり、瘀血があると月経痛、冷え症、子宮筋腫、肩こり、しみ、しわなどのトラブルが出てきます。また更年期障害もひどくなります。

また「水」が不足すると、のぼせやほてり、皮膚の乾燥などの症状が現れてきます。

更年期の症状に対する基本の漢方処方

漢方では更年期を、「腎」の働きが哀えて女性ホルモンの分泌が悪くなり、老化が訪れた状態ととらています。したがって更年期は、漢方薬で低下した「腎」を高めながら賠血を改善し、全身の機能を高めていくことが治療の基本。そのほか体質や症状にあわせて漢方薬を処方し、つらい症状をとっていきます。