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HRT(ホルモン補充療法)には、どんなメリットや効果がある?

メリット

つらい症状から開放される

症状の原因の部分に治療を施すことを「原因療法」といい、出てくる症状を抑えたりやわらげる療法を「対症療法」といいます。HRT(ホルモン袖充療法)は、更年期の症状の原因であるエストロゲン不足を外から補う原因療法ですから、更年期待打の自律神経火調症状に抜俳の効米を発抑します。しかも、多彩な症状をそれぞれ治療するとなると、何種類もの薬が必要になりますが、HRTだとそれだけで総合的な効果が得られます。

また、短期間で効果が得られる点も特徴のひとつ。自律神経失調症状に対しては、3か月前後の治療で約8割の人が「効果あり」と答えているという報告があります。気分を明るくする効果も エストロゲンには、気分を明るくする作
用かおりますから、HRTを受けた半数近くの人が「気分が明るくなった」というのもうなずけます。エストロゲンの服用が直接精神面に影響を与えたのか、それともつらい症状から解放されて気持ちが安定したのか、判定がむずかしい部分がありますが。いずれにしても心の不調改善に効果があっ皮膚や粘膜組織を強くしてみずみずしく保つ働きがありますから、HRTを行うことによって腔粘膜の潤いも取り戻せます。

アンチエイジング効果も

更年期からは、エストロゲンの減少によって、皮膚のコラーゲンや角質水分量が失われていきます。できてしまったしわやしみは消せませんが、エストロゲンを補充することで、コラーゲンが増えたり、肌の水分量をキープできるなど(欄外グラフ参照)、若々しさを保てる効用があります。また、アリが背中をはっているような皮膚の違和感(蟻走感)や全身の皮膚のかゆみ。かさつきの改善にもつながるといわれています。

大きな効果が現れない場合もあります

さまざまな効果のあるHRTですが、この治療法も万全ではありません。

一般にHRTは、のぼせやほてりなどのホットフラッシュ、多汗、動悸などの血管運動系の症状にはよく効きますが、不安やうつ症状など心理的なストレスが強いときには、HRTだけでは治療がむずかしい場合があります。

そのようなときにはHRTと並行して、抗不安薬や抗うつ薬、自律神経調整剤などを用いたり、カウンセリングを行って心の不安や葛藤を取り除いていくことで、HRTの効果が現れやすくなります。

またHRTは、萎縮性腔炎や性交障害など腔粘膜の萎縮には、大変効果を発揮しますが、頻尿や尿失禁など尿道粘膜への効果は、いくぶん下がるようです。

腰痛や膝の痛みなどは、エストロゲンの減少だけでなく、すでに骨粗霧症がはじまっていたり、加齢による骨の変性などもともなうために、HRTが必ずしも有効であるとはいえません。たのは、問違いないでしょう。

性交痛や頻尿の改善に

腔のピリピリ感や性交痛など、人にはいいにくい悩みは、更年期を迎えた多くの人が感じていることです。エストロゲンには、もたらす主作用があれば、必ずそれにともなう副作用があるものです。大切なことは、HRTの長所と短所を正しく理解して、自分で納得して使うことです。次ページからは、HRTを行うことのメリットとリスクについて考えていきましょう。ピルの若返り効果がきっかけでHRTが誕生しました。

HRTは、1960年代にアメリカで開発されました。

ある婦人科医がピルを常用している女性が年齢より若々しいことに着目したことにはじまります。

ピルに含まれている、女性ホルモンのエストロゲンが、若さを保つのに効果があり、しかも更年期の症状を改善することがわかって更年期の治療に使われるようになりました。ただ、エストロゲンだけを用いた初期のホルモン補充療法(ERT、欄外参照)は、子宮体がんの増加という副作用が現れました。

しかしその後、研究がすすんで、1970年代からは、エストロゲンとプロゲステロンを併用することで、むしろ子宮体がんの発生が抑えられ、骨粗穀症や高脂血症などの予防にも役立つこともわかりました。現在、HRTは更年期障害のもっとも有効な治療法として注目されています。